地価公示や都道府県地価調査が発表される度に、不動産価格は底をついた、とか、商業地の一部は上昇に転じた、などと騒がれている。しかし都心の商業地の一部を除き、地価はまだ落ち着いかない状況が続いていると思う。そもそも、地価は様々な要素の影響を受けて形成されているが、どのような要素に影響されて地価が形成されているか考えてみよう。地価に影響を与える要素は大きく以下の3つがあげられる。

1.社会的要因

社会的要因とは、人口の増減、人口の移動、世帯構成などによる地価の変動である。不動産も需要と供給のバランスに大きく影響を受けるので、人が多く集まるところは需要が高まり、地価は上昇する。逆に人が減り需要がなくなると地価は下落する。

2.経済的要因

経済的要因とは金利等の金融政策が主な要因である。金利が下がれば不動産(特に住宅)の取引が活発化するが、逆に金利が上昇すれば、不動産の取引需要が冷え込むことで、不動産価格にマイナスの影響を与える。また、金融機関が不動産に対して積極的な融資姿勢に方針を切り替えると不動産価格は上昇傾向になり、逆に金融機関が不動産融資をストップすれば不動産価格は下落傾向となる。現在は低金利政策により金融機関は積極的に不動産融資をする方針を取っているため、不動産価格は維持されていると感じる。

3.行政的要因

行政的要因とは、行政が打ち出す土地の利用計画によって不動産価格が影響を受ける事である。新駅が開設されるとか高速道路が出来るなど、駅前再開発や区画整理が進めば、人が集まり地価は上昇傾向となる。

この3つの要因は不動産の価格を形成する要因と呼ばれているが、4番目に「個別的要因」という要素が不動産の価格に影響を与える。不動産は同じ物は存在せず、それぞれが個別的な要素を持っているため、土地の間口、奥行き、面積、高低差などの土地の形状や建物の構造、用途、収益性などによって不動産価格が影響を受けるという事である。このように不動産は様々な要因の相互作用によって、価格が形成されている。

上記の要素以外に当然「売主・買主各々の個別的な事情」がある。売主が不動産を売り急げば価格は安くなり、買主がどうしても購入したいというニーズが強ければ価格は上昇する。このような個別的な事情は価格に大きな影響を与えるため、売主・買主の気持ち一つで不動産の価格は平気で変わってしまうのだ。
不動産価格の査定なるものは理論的な価値を求めたものであるが、不動産の実際の取引価格というものは、最終的には売主と買主の気持ちが大きく影響するため、不動産には駆け引きが付き物だと言われる所以なのかと考えてしまう。

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