旅行者などが、個人宅の空室に対価を払って宿泊する「民泊」。
東京オリンピックに向け増え続けるインバウンド需要の解決策として、Airbnb等の民間サイトを中心に利用者を増やしていますが、無許可のいわゆる違法民泊の増加が地域の問題として取り上げられることも多くなってきました。

2017年3月1日付で厚生労働省が発表した「全国民泊実態調査の結果について」によると、全体の83.5%が許可を取得していない、違法物件だったそうです。
違法物件は許可に必要な設備や広さ等の要件を満たしていない物件が多いため利益も大きく、中には稼働率が80%以上で通常の賃料相場の3倍以上の利益を上げている民泊オーナーもいるそうです。

こういったオーナーは収益に対する適切な税金を納めていないことも多く、以前から問題視されていたゴミや騒音による近隣住民とのトラブルとあわせて民泊事業の普及を妨げているという指摘があります。

そんな違法民泊を摘発する民間サイトも出る中、政府は3月10日に民泊事業を全国で解禁する民泊新法案(住宅宿泊事業法案)を閣議決定しました。今国会での成立を目指しているそうです。
この新法では届出や登録を義務化した他、以下の2点の制限が加わることが注目されています。
①年間の営業日数の上限を180日とする、
②自治体が条例で営業日数を制限することが可能


6泊7日以上といった宿泊日数の下限が無いことはオーナーにとってメリットですが、営業日数の上限が180日では最大で稼働率が50%以下ということで、先ほどのオーナーのように賃料相場を大きく超えるような利益を得ることは難しくなります。

さらに、②の項目により、観光地などのホテル・旅館事業者が行政と密接な地域ではさらに上限日数が減ってしまう可能性があり、実質骨抜きになってしまうのではないかと懸念されています。

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