物件の概要書などを見ていると検査済証の有無の記載を目にします。この検査済証は一体どんなものなのでしょうか。

検査済証
建築確認が必要な建築物が工事を完了した際に、届け出をして完了検査を受けて建築基準法に適合しているか検査し、合格すると特定行政庁や指定確認検査機関から発行されます。

ということは頻繁に目にする「検査済証無し」の物件は違反建築物なのでしょうか。手続き上は確かに違反なので違反建築物でないとは言えません。
2005年に発覚した耐震偽装問題などを経て、金融庁が検査済証無しの物件に融資を行わないように金融機関に要請したことから、現在では取得率は大幅に上昇しています。ただ2000年の段階で取得率が38%だったことからもわかるとおり、実際問題として検査済証無しの物件は多数あります。

そこで2014年7月に国土交通省は「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合調査のためのガイドライン」を公表しました。このガイドラインに沿って調査を行って、現行規定に適合していることが確認できれば建築基準法適合状況調査報告書が交付されます。ただし検査の結果不適合事項などがあれば、法令に適合するよう改修に努めるとともに、特定行政庁へ相談しなければなりません。

不動産売買の場面で検査済証の有無が重視されるのは、検査済証がないと火災事故などによって死者が出た場合に罰則適応の懸念や、融資がつかないことが多いといったことが大きな理由だと思います。ところが金融機関の融資の情勢によっては例外的に融資がつく場合もあるのが現状です。また検査を受けた後に違法な増築が行われたケースもあるので、過去の検査済証があるからといって必ずしも大丈夫とは限りません。

収益不動産を探すときに検査済証は大事ですが、その有無の背景がどんなものなのかをより明確にすることまで注意を向ける必要があるでしょう。ただこのガイドラインができたからといって多数の検査済証が無い物件が存在する問題が解決するとは思えません。今後も投資家の方だけでなくわたしたち不動産業者 も行政の動向を注視していく必要があるといえます。

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