2015年流行語大賞には「爆買い」、街には世界各国からの旅行者が…。連日メディアでは「インバウンド消費」が大きく取り上げられています。今年1 月から10月に日本に訪れた外国人旅行者は1600万人超。2020年には東京オリンピックが控えています。大都市圏では慢性的に宿泊施設が足りなくなっ てきている現在、急激に増えているのが「民泊」の利用です。

そもそも「民泊」とは文字通り「民家に泊まること」を言いますが、現在注目を集めているのは有料で旅行者を泊める「民泊」です。
現状では自宅の空き部屋を活用した「ホームステイ型」と、賃貸マンションなどの空室を活用した「ホテル型」に分けられます。不動産投資家として気になるの は「ホテル型」の方ですね。「1泊1万円、ほぼフル稼働で所有している区分マンションを民泊で貸し出している」なんていう話を聞くと夢のような儲け話のよ うな気がしませんか。不動産投資における区分マンションは、空室リスクが0か100かという点がネックと言われてきました。民泊を活用することでリスクを 減らし、通常の賃貸に出すより利益を得られるとしたら渡りに船という気がしてきます。

ただし、いいことばかりではありません。まず一番の問題点は現状に国のルール作りが追いついていないこと。従来の旅館業法には民泊の規定がないの で、現状は違法とも合法とも言えない微妙な状態です。実際に京都では旅館業法違反の疑いで民泊業者が書類送検された事例があります。一方、大田区議会では 12月7日に一定の条件で民泊を認める条例案を可決しました。大阪府でも10月27日に可決されています。政府もルール作りを進めていくものと見込まれて いますが、もうしばらくは合法とは言い切れない状態が続くと思われます。

また民泊の現場でのトラブルが多発しているのも問題になっています。不特定多数の外国人が出入りし、ゴミの出し方や騒音などが発端になりマンション 住民とトラブルになる事例が増えているようです。住友不動産は販売時から「(管理規約で)民泊禁止」にする新築マンションを計画中と報じられました。現在 民泊が行われているマンションでも、今後明確に禁止になる可能性がないとは言えません。

Airbnbなどの仲介サイトの活況を見る限りでは民泊は大きなチャンスと言えそうですが、ルールの制定の行方は当分のあいだ動向を注視していくこ とになると思います。そして民泊に参入する土壌が整ったとしても、やはり実際の運営にノウハウは必要になってきます。結局のところ民泊に踏み出すかどうか は、投資家の方がどういったスタンスをとるかということになりそうですね。

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