大手信託銀行が2016年下期に行った私募ファンドに対する調査によると、「2017年に不動産マーケットで起こるイベントの予想」部門で、「地方圏への投資の拡大」が第3位になったそうです。

もちろん地方と言っても、いわゆる東名阪と呼ばれる三大都市圏を除けば、札幌市や仙台市、広島市、福岡市と言った地方中核都市に留める声多いようですが、投資家の目がより地方に向きだしたと考えることができると思います。
先日の記事(アジアで投資したい都市ランキングで東京が急落!?)と同じく都心部の物件不足が一因だと思われますが、投資対象となる都市の選択は、十分な注意が必要です。

総務省統計局の住民基本台帳に基づく調査では、上記都市が含まれる県自体では人口も地価も減少傾向だったのに対し、上記都市では人口は増加しており、それに合わせて地価も上昇しています。これだけ見ますとどの都市も同じように将来性が期待できると考えてしまいがちですが、実は都市ごとに事情は異なります。
例えば、札幌市自体は大幅に減り続けている北海道の中で増加傾向にありますが、年齢別転入超過数では増加数の約44%が50歳以上と、中高年層の増加が目立っています。

これは、高齢者を中心として医療や福祉施設が比較的充実している札幌市へ流入していることが原因としてあげられ、近い将来人口減少に転じていく可能性が高いと考えることができます。

逆に、福岡市は50歳以上の増加率は全体の約12%と比較的低い値。これは、大学などの教育機関やサービス産業の企業など、若年層の受け皿が多いことが理由と考えることができます。


また、地方では新幹線などの開通にともなうインバウンド需要の取り込みや地域の再開発などによる地価の上昇も期待されますが、インバウンド需要は中国の爆買いの例のようにいつまで続くかが不透明で、地方の再開発も限られた需要を奪い合う形なので、エリアの選択が重要になってきます。
そういった要素を考えると、エリア選択がシビアで、地価下落のリスクを取って地方の物件を買うのか、比較的リスクの少ない都心部の将来性が見込める立地の物件を買うのか、投資家の投資経験やスタイルによってよく考える必要がありますね。

関連記事